おひつ編

わかりやすく意味のわからないラブコメ映画を見て顔を見合わせ苦笑いなんかしてからご飯を食べることにした。
同モール内のレストラン(地元のジャスコにもあった某チェーン店で親近感が持てた)で私はまぐろのおひつを頼みましたがこれは失敗だとすぐにわかった、おひつというのはすることが多い。手間のことを言っているのではなく、私に委ねられている作業が多いということ。わさびを醤油で溶く、ご飯をよそう、具を盛る、ふりかけ(あのオレンジの玉、麩?)とのりを振る、薬味を乗せる、だし汁をかける、その順番、量、どのひとつをとっても私の嗜好ということだ。嗜好や価値観を露呈させることが得意ではない私にとっては特に頭を悩ます。食事はことによっては"卑しい"とされることもある繊細な営みで、食事の仕方を見られるということは、オナニーを見られるくらい恥ずかしいんです。わかりませんか。

ご飯を食べてから、そういえばと名前を教えあって、少し話して別れた。私は生まれて初めてのデートだった。また会おうという話は出たけど、食事している姿も見られたくない私は今日この人に何を見せれたんだ?家帰ってSNS見たら好きな人が彼女とのデートのこと投稿してて死んだ。正解がないならせめて正当化するしかないじゃん!ない!